はじめに — 睡眠に悩む人が増えている今
「寝つけない」「夜中に目が覚める」「朝スッキリ起きられない」
こうした悩みを抱える人は非常に多く、健康問題としても注目されています。
実際、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満と回答した人の割合は、男性で37.5%、女性で40.6%にも上ります。厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」
つまり、日本人の 約4割 が睡眠時間の不足を自覚しているという実態があるのです。
このような背景があるからこそ、睡眠サプリが注目され、手軽に利用しようという流れが出てきています。
しかし、サプリを使うには正しい知識と選び方が不可欠です。
この記事では、薬剤師の視点から 睡眠サプリの正しい選び方と注意点 を丁寧に解説します。
睡眠サプリと医薬品の違いとは?
まず知っておきたいのは、「睡眠サプリ」と「睡眠薬(医薬品)」はまったく別物であるということ。
- 睡眠薬(医薬品):医師の診察を受け、脳の働きに直接作用して眠気を誘発します。
- 睡眠サプリ(健康食品):栄養素や植物由来成分などで、リラックスや睡眠リズムの改善をサポートします。
つまりサプリは、「眠れない人を強制的に眠らせる」ものではなく、
“眠りやすい状態を整える”サポート役という位置づけです。
市販の睡眠改善薬との違い
薬局などでは、「ドリエル」「グ・スリーP」などの**睡眠改善薬(OTC医薬品)**も販売されています。
これらは「一時的な不眠(旅行前・緊張など)」を改善する目的でつくられており、
主成分として ジフェンヒドラミン塩酸塩 が含まれています。
この成分は抗ヒスタミン薬の一種で、眠気を起こす副作用を利用して一時的に眠りを誘うものです。
ただし、長期使用はおすすめできません。
次第に効果が薄れたり、日中の眠気・口渇・排尿障害などが起こることもあります。
一方、睡眠サプリは作用が穏やかで、日常的な睡眠リズムの改善や入眠サポートを目的としています。
用途や目的を正しく理解し、うまく使い分けることが大切です。
主な成分と特徴を理解しよう
睡眠サプリにはさまざまな成分がありますが、特に注目される代表的なものを紹介します。
GABA(ギャバ)
脳の興奮を抑える神経伝達物質。
リラックスやストレス緩和を促し、寝つきを改善するサポートをします。
グリシン
体温リズムを整える働きがあり、「深い眠り」をサポートする成分。
眠りの質を上げたい人に向いています。
トリプトファン
「幸せホルモン」セロトニンや睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になるアミノ酸。
不足すると気分の乱れや寝つきの悪化を引き起こします。
ラクトフェリン
母乳や乳製品に含まれるタンパク質の一種。
腸内環境を整え、免疫や自律神経のバランスをサポートすると報告されています。
最近の研究では「睡眠の質向上」や「ストレス軽減」への関与が示唆されており、
リラックス系サプリの新しい選択肢として注目されています。
購入時の注意点 — 広告に惑わされないこと
SNSやネット広告では、「これでぐっすり!」「即効性あり!」など誇大な宣伝をよく見かけます。
しかし、サプリメントに即効性を求めるのは間違いです。
- 「医薬品のような効果」をうたう商品には要注意
- 成分量やメーカーの信頼性を確認(販売会社の実績もチェック)
- 現在、薬を服用中の方は必ず薬剤師・医師に相談
特に抗うつ薬・睡眠薬・抗不安薬などを服用中の方は、
成分の重複や相互作用のリスクがあるため、自己判断での併用は避けましょう。
薬剤師がすすめる「正しい使い方」
睡眠サプリは“魔法の薬”ではありません。
しかし、正しい方法で続けることで確かなサポートになります。
☑ 正しい飲み方のポイント
サプリ単体ではなく、「睡眠習慣」「環境改善」と組み合わせて使うことで、
眠りのリズムを自然に整えていくことができます。
まとめ — 自分に合う“眠りのサポート”を見つけよう
睡眠サプリは、正しく理解して使えば、
“眠る力”を取り戻すためのやさしいサポート役になります。
焦らず、自分に合ったペースで続けること。
そして何より、「安心して続けられるものを選ぶ」ことが大切です。

しば
サプリは、あなたが本来持っている “眠る力” を引き出すためのきっかけです。
私はその「きっかけ」を安全に、そして自分に合った形で見つけてほしいと願っています。